リーダーとマネージャーの違い

何事も、成功するには、リーダー(先導者)とマネージャー(管理者)の、二つの役割が重要になります。この二つの役割は、皆をまとめるという点では似ているものの、実は、全く異なる役割なのです。それぞれの役割は、何がどう違い、どのように物事を成功へと導くのでしょうか。

以下、この二つの役割の違いを説明するときに、よく使われる言い回しを紹介しています。

  • リーダーは、目標を示し、マネージャーは、それを達成する手段を導く。
  • リーダーは、正しい物事を定義し、マネージャーは、それを正しく実行する。
  • リーダーは、効果を伸ばし、マネージャーは、効率を伸ばす。
  • リーダーは、未来を見据え、マネージャーは、今やるべきことの対処をする。

Stephen R. Coveyさんの本、『The 7 Habits of Highly Effective People: Interactive Edition1』の中では、リーダーとマネージャーの違いが、更に詳しく書かれています。

リーダーもマネージャーも、物事を成功へと導くためには、大切な役割です。もし、どちらか一つでも欠けてしまうと、どうなってしまうのでしょうか。

リーダーは、目標を立てる人です。つまり、リーダーがいないと、チームは目標を見失ったり、間違った目標を立てたりしてしまいます。いくら速くはしごを登れたとしても、はしごが間違った壁にかかっていたのなら、元も子もありません。

一方、マネージャーは、目標を達成する手段を導き出す人です。つまり、マネージャーがいないと、チームは効率的に仕事を行うことができず、目標の達成に時間がかかりすぎたり、ようやく目標が達成されたころには、すでにその目標は意味をなさなくなっていた、ということも起こりえます。はしごが正しい壁にかかっていたとしても、はしごを登るのが遅ければ、競争相手においていかれてしまいます。

リーダーとマネージャーは、別々の二人がそれぞれを担当する必要はありません。一人で両方の役割を担当できる人もいれば、複数人で協力して、二つの役割を果たす場合もあるでしょう。しかし、どちらか一つでも欠けてしまうと、物事を成功へと導くのは困難になってしまいます。つまり、どちらか、もしくは両方が欠けている場合、それを補充しなければなりません。リーダーとマネージャーの仕事は上で説明しましたが、それを効果的に達成するのに必要な力とは、何なのでしょうか。

リーダーに必要な力とは、何が大切か、を見極める力です。そのためには、ひらめき、直感、創造性など、右脳を使う能力が求められます。リーダーの思考は、論理で説明できないことが多く、「これが正しい」という、価値観のみである場合もあります。その価値観に理由をつけようとすると、どうしても屁理屈のように聞こえてしまいます。多くの親が、子供に価値観を教えるとき、「なんで」と聞かれて困ってしまうのも、これと同じ様なものでしょう。

もし、リーダーが正しい目標を定めても、皆が、その目標が大切だということを理解できなければ、チームは目標を見失ったままになってしまいます。つまり、リーダーが定めた目標を、直感で理解できないチーム員がいる場合は、その者たちを説得する力も必要になります。

まれに、根拠のない説得力(カリスマ性)を持った者がいます。そのような者が、リーダーとして目標を立てたとき、割と簡単に、チームは一丸となって、目標を達成しようとするでしょう。しかし、これは、カリスマ性を持った者にリーダーを任せろ、という話ではありません。カリスマは、目標の正しさに関係なく、人々を団結させる力を持っています。しかし、リーダーとして、チームを団結させる力よりも、正しい目標を立てられる力の方が、大切なのです。また、大多数がその目標を大切だと直感で理解できない場合は、その目標が間違っているか、または、その目標がよっぽど画期的か、のどちらかの場合が多いです。どちらの場合であろうと、その目標を立てたリーダーは、チームとの話し合いが必要になるでしょう。

マネージャーに必要な力とは、どうすればいいか、を考える力です。そのためには、分析力、合理性、論理性など、左脳を使う能力が求められます。マネージャーの思考は、論理的です。そのため、それを皆に説明するのも、難しいことではありません。

しかし、マネージャーが新しい方法を提案するとき、どんなにその案が優れていようと、必ずと言っていいほど、昔の方法に慣れているチーム員の中から、反発する者が出てきます。その場合は、説明力だけではなく、説得力も必要になります。

また、目標を達成する最適な手段は、環境や状況によって変わるため、定期的に見直さなければなりません。ですが、もし、マネージャー自身が変化を好まないタチだと、いつまでも古い方法で仕事をしてしまい、チームの進化が止まってしまうこともあります。そうなると、仕事の効率は伸び悩み、競争相手に置いていかれてしまうでしょう。そのため、マネージャーには、適応力も必要になります。

リーダーとマネージャーは、二つの異なる役割です。リーダーは、目標を定め、マネージャーは、それを達成する手段を導き出します。つまり、リーダーがいないと、チームは目標を見失ってしまい、マネージャーがいないと、チームは目標を達成できなくなってしまいます。リーダーには、何が大切か、を見極める力が必要になり、マネージャーには、どうすればいいか、を考える力が必要になります。

<参考文献>

  1. Stephen R. Covey (2015)『The 7 Habits of Highly Effective People: Interactive Edition』Mango Media Inc.(英語の本です。日本語では、『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』として出ているようです。)

Shogo Wada

楽しさと実用性の両立が好き。プログラマー。